「良い素材が、暮らしやすさとは限らない」

うちの旦那は建具屋です。
毎日、仕事場で木と向き合いながら、手作業で建具を作っています。

ご依頼は、主に工務店さんを通していただくことが多いのですが、
ときには一般のご家庭から直接ご相談をいただくこともあります。

「せっかくなら、良い素材で」
「無垢のヒノキでお願いしたい」
そうしたご希望をいただくこともあり、年齢に関係なく、素材にこだわりを持たれる方は多いです。

無垢のヒノキは、木目も美しく香りもよく、とても人気のある素材です。
けれど実際には、無垢材はしっかりとした重さがあり、引き出しや戸を扱う際に「少し重いかな」と感じられることもあります。

そのため旦那は、作る前に「どういう用途で使われるのか」「日常の中でどんなふうに使われるのか」を丁寧にお聞きしています。
その上で、「無垢材は重さが出るかもしれませんが、それでもよろしいですか?」
「軽さや扱いやすさを優先したい場合は、別の素材もご提案できますよ」と、あくまでお客様にとっての使いやすさを考えながらお話ししているそうです。

最終的には、お客様のご希望を大切に。
ご納得いただいたうえで、ひとつひとつ丁寧に仕上げていきます。

素材の良さと、暮らしやすさ。
その両方に目を向けながら、今日も旦那は、木と向き合っています。


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