介護の現場では、業務の流れや時間の管理がとても大切です。
食事や入浴、排泄介助、記録…。やらなければならないことは、次から次へとやってきます。気づけば、時計とにらめっこしながら一日が終わっていることも少なくありません。
そんな中でも、私が大切にしているのが「雑談」です。
雑談といっても、ただのおしゃべりではありません。利用者さんの表情や声色を見ながら、今日は何を聞こうかな、どんな話題なら安心して話してもらえるかな、と心を配ります。
ある日の午後、食後の片づけを終えて廊下を歩いていると、窓辺で外を眺めている利用者さんがいました。
近づいて「今日は少し風が涼しいですね」と声をかけると、「そうだねぇ。昔はこの時期、庭でスイカを冷やしたもんだ」と懐かしそうに話してくれました。そこから、子どもの頃の夏休みの話、家族との思い出に花が咲きます。
数分の会話ですが、その方の笑顔は、どんな高価なケア用品よりも場を温かくします。
雑談は、利用者さんの心の扉を開くカギのようなもの。会話の中から「今日はちょっと疲れているな」「最近眠れないみたい」といった小さな変化に気づけることもあります。
もちろん、忙しいときには「今は無理かも」と思う瞬間もあります。
それでも、ほんの一言だけでもいい。短くても心のこもったやりとりは、利用者さんにとって大きな安心になります。
介護は、身体を支えるだけではなく、その人らしい日々を守る仕事です。
業務と業務の間にある“すき間時間”こそが、笑顔や信頼を育てるチャンス。これからも、忙しい中でもその瞬間を見つけ、大切にしていきたいと思います。
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