そっと動く人、そっと見ている人

朝のフロアに入ると、
食器がまだ山のように残っていて、
トイレの誘導や、オムツ交換もこれから…という状態でした。

朝食が終わっていない利用者さんもいて、
「ああ、これから全部やっていくんだな」と
一人、気持ちを切り替えます。

周りを見渡しても、特に動き出す気配はなくて。
その場にいる職員さんは、静かに座っているだけでした。
声をかけることもなく、視線が合うこともなく。

私は、手を動かし始めます。
洗い物を片づけて、トイレへ誘導して、口腔ケアも進めて…。
バタバタと忙しいけれど、利用者さんが少しでも気持ちよく過ごせるようにと思って。

ふと思いました。
こうやって「そっと動いている人」って、
たぶん目立たない存在なのかもしれないなぁって。

誰かに感謝されるわけでもなく、
特別なことをしたつもりもない。

けれど、誰かが静かに見てくれているかもしれないし、
気づかれなくても、自分が「やろう」と思って動いたことには、
自分で小さく○(まる)をつけてあげたいな、と思うのです。

今日は、バタバタと動き続けた午前中でした。
一息つく間もなかったけれど、
それでも誰かの一日を整えるために手を動かしていたと思うと、
どこかに小さな達成感のようなものも残ります。

目立たなくても、誰に気づかれなくても、
「自分で動こう」と思えた気持ちだけは、
今日もちゃんと大切にしたいなと思いました。

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