ヒノキってなぁに?

おがくずに包まれるような、そんなやさしい暮らしがあってもいいと思う。
そう思わせてくれたのが、ヒノキという木との出会いでした。

ヒノキ。漢字で書くと「檜」や「桧」。
名前はよく聞くけれど、実際にはどんな木なのか、どんな香りで、どんなふうに暮らしに寄り添ってきたのか、知っているようで知らない人も多いかもしれません。

日本では、昔から神社仏閣の建築に使われてきました。
たとえば、伊勢神宮もそのひとつ。
強くて、まっすぐで、時間が経つほどに味わいが深まる、そんな性質を持つ木です。

私の暮らしのそばにも、ヒノキはいつの間にか自然にあって。
夫が建具屋としてヒノキを扱っていることもあり、この木が日々の仕事の中で大切にされている様子を見てきました。
柱や戸、建具の一部となって、静かに人の暮らしを支える存在。

そして、削りたてのヒノキの香り。
ほんの少し手のひらに乗せるだけで、ふわっと広がるあの清々しさ。
まるで森の中にいるような感覚になります。

どこか懐かしくて、やさしくて。
子どものころに遊びに行った祖父母の家の木の廊下や、
田舎の公民館にあった大きな木の机。
そんな記憶の中に、ヒノキの香りはいつもそっと寄り添っていました。

ヒノキのおがくずは、ただの木くずではありません。
香りも、肌ざわりも、空気まで整えてくれるような気がします。
その中に手を入れると、あたたかくて、柔らかくて、なんだかホッとする。
まるで自然のやさしさがそのまま形になったような存在です。

ヒノキってなぁに?と聞かれたら、
「森のやさしさ。暮らしの中にそっとある安心感」と答えたい。

そんな気持ちを、これから少しずつ、言葉にしていけたらと思っています。

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