
介護の仕事に関わって、もう何年になるんだろう。
二十歳の頃から働きはじめて、今はパートのおばちゃん。
肩書きも変わって、働き方も変わったけれど、
見つめているものは、ずっと同じような気がする。
特別養護老人ホームでの勤務を経て、在宅でのケアマネの仕事にも関わった。
今は、日中の時間だけ、施設で利用者さんのそばにいる。
無理のない範囲で、でも自分なりに役に立てることがあればと、
淡々と、でも心はそっと寄せながら過ごしている。
若い頃のように、がむしゃらに動き回ることはもうない。
でも、今の自分にしかできないことも、きっとあると思っている。
たとえば、ほんの少しの沈黙に込められたサインを感じ取ったり、
利用者さんの小さな変化に、そっと気づくこと。
「ありがとうね」と言われるたびに、
「こちらこそ、今日も一緒に過ごさせてもらえてありがとう」と思う。
それは言葉にしなくても、心の中で何度も繰り返す大切な気持ち。
仕事のあと、買い物袋をさげて帰る道すがら、
ふと「あの方、今日はよく笑っていたな」と思い出して、
私も自然と笑っていることがある。
介護は、誰かの“今日”を一緒に支える仕事。
特別なことはできないけれど、
目の前の人の「今」に、そっと寄り添うことなら、私にもできる。
昨日の私、ありがとう。
そして、今日も、できることを。
コメント