おがくず　りょうこ

介護の仕事って、本当に大変です。体力も気力も使うし、予定通りにいかないことの方が多い。「大変なのは仕事だから仕方ない」そう思っていても、毎日がその繰り返しだと心も身体も疲れてしまいます。でも、ふと気づくんです。同じ仕事なのに、「今日はなんだ...

いつもヒノキのおがくずのことを考えていると、ふと「ひとつずつパッケージしてみたらどうかな」と思いました。小さな袋に分けて包むと、それだけで特別なもののように見えてきます。そしてもう一つ浮かんだのは、サシェ袋を添えて一緒に入れること。そのまま...

はじめにおがくずサシェを作りたい――そんな思いが、ここしばらく私の中で膨らみ続けています。やわらかなひのきの香りを小さな袋に詰めることを想像すると、ふんわりと気持ちが和らぎます。手縫いへの不安でも、ひとつだけ困ったことがありました。私は裁縫...

まだ暑さが残る８月の夜、ふと耳をすませると、どこか遠くから「リーン…」と虫の声が聞こえてきました。今年はじめて聞くその声に、思わず心がほっと温かくなりました。虫の名前はよくわからないけれど、夏の真ん中に、こんなに静かでやさしい音が聞こえるな...

介護の現場では、業務の流れや時間の管理がとても大切です。食事や入浴、排泄介助、記録…。やらなければならないことは、次から次へとやってきます。気づけば、時計とにらめっこしながら一日が終わっていることも少なくありません。そんな中でも、私が大切に...

今日は朝からとても暑くて、家の中にもじっとりとした熱気が広がっていました。そんな中、エアコンの調子が悪くなってしまい、修理の職人さんが来てくれる日でした。旦那は仕事着のまま、汗をかきながら職人さんとやりとりをしていました。職人さんは落ち着い...

猛暑の朝、エアコンが沈黙昨日、うちのエアコンが突然壊れてしまいました。スイッチは入るのに、風はぬるいまま。外は真夏の太陽がじりじりと照りつけ、室温はじわじわと上昇していきます。こんな時に限って、天気予報は「猛暑日」。幸い、別の部屋のエアコン...

朝、洗濯物を干すときには、いいお天気だった。太陽の光がまぶしくて、今日も暑くなりそうだなと思ったのに。出かける頃には、空がすっかり重たい雲に覆われていてその気配に、洗濯物を慌てて取り込んだ。仕事へ向かう途中、ぽつぽつと雨が降り始め、介護施設...

朝は、まぶしいほどの晴天だった。青空が広がり、容赦のない日差しが地面を照りつける。予報通りの酷暑日。気温はぐんぐん上がって、午後には四十度近くに。エアコンをつけていても、家の中はどこかじっとりとした空気で満ちていた。冷たい飲み物を飲んでも、...

施設で一緒に働く看護師さんと話をしていたときのこと。その方は62歳。穏やかで、いつも現場の雰囲気をやさしく包んでくれる方です。その日、ふとこんなことを話されました。「咄嗟のときはね、若い看護師さんにお願いするの。もう自分じゃすぐに体が動かな...