昨日、旦那と電車で幕張メッセのどきどきフリーマーケットへ向かった。
家を出る前に、ちょっと迷った瞬間もあったけれど、
「行こう」と決めて、ふたりで駅へ歩いた。
電車は、強風で遅延。途中、停まったりもした。
窓の外で、木々が大きく揺れていた。
それでも、なんとか会場にたどり着いた。
——あのお店の方に、会えた。
去年買った黒いカバンを、肩から下ろして見せた。
「これ、毎日使っているんですよ」。
そう伝えると、お店の方の顔が、ふっとほどけた。
「生地が、柔らかくなった感じがします」
と伝えると、お店の方は、嬉しそうにうなずいてくれた。
そして、こんなふうに言ってくれた。
「気になるところがあったら、いつでも連絡してくださいね」
その一言に、胸の奥がじんとした。
売って終わりじゃない。
作った人が、その後の暮らしまで、気にかけてくれている。
もし、いつかこのカバンに不具合が出ても、相談に乗ってくれる人がいる。
それって、ただ買ったときよりも、もっと安心して使い続けられるってことだなと思った。
新しい財布や、別のかたちの鞄も並んでいた。
旦那は手にとって、「いいね」と何度もつぶやいていた。
そして、ふと、わたしを見て言った。
「カバン、買う?」
わたしは、お店の方に向かって、ちゃんと伝えた。
「去年買ったこのカバンが好きなので、買わなくて大丈夫です」
すると、お店の方が、にっこり笑って言ってくれた。
「うちの妻も、同じもの使ってますよ」
その一言が、なんだか嬉しかった。
同じカバンを、毎日使っている人が、もうひとりいる。
それを聞いて、ますますこのカバンが好きになった。
結局、わたしも旦那も、なにも買わなかった。
それでも、帰り際に、もう一度伝えた。
「来年も、きます」
お店の方は、にっこりとうなずいてくれた。
強風で、電車は遅れた。なにも買わなかった。お土産も、買えなかった。
それでも、会えた。
ただ、それだけで、わたしの中はあたたかく満たされていた。
フリマって、やっぱり会いに行く場所なんだ。
——また、来年。

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