わたしのスマホのミュージックアプリには、
自分で作った歌が、たくさん並んでいる。
これまでは、曲の題目の文字が、ずらっと並んでいるだけだった。
ある日、ふと、思った。
「これじゃあ、選びにくい」
タイトルを読んでも、曲の景色が浮かんでこない。
聴き直したい曲を、文字の中から探すのに、
いつも時間がかかっていた。
だから、思い立った。
1曲ずつに、ジャケットの絵をつけよう。
雨の日には、紫陽花の絵。
夕方のカフェには、長い影の絵。
朝の歌には、空の色の絵——
時間をかけて、すこしずつ。
AIに「こんな景色が浮かぶ歌なんだけど」と相談して、
イメージにぴったりの絵を、何度も作り直した。
並べてみたら、ぜんぜん違った。
文字だけだったリストが、
絵が並んだ図書館みたいに変わった。
「あ、今日は、これかな」
「この絵の歌、ひさしぶりに聴きたい」
ぱっと、選べるようになった。
文字を読まなくても選べるって、なんだか優しい。
さりげない「困った」を、自分の手で変えられるって、
ひとつの幸せだなと思う。
忙しい朝にも、
眠い夜にも、
ぱっと選べるって、気持ちがいい。
それに——
絵を1つずつつけたら、
歌たちが「個性のある存在」になって見えた。
並んだ文字は、たくさんの「データ」だった。
でも、絵が並ぶと、たくさんの「物語」になる。
歌に、顔ができた。
そう思ったら、自分の歌が、ますます愛おしくなった。

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